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うさぎさんの主食はなぜ牧草?

「うさぎさんの主食は牧草!」「うさぎさんには牧草をしっかり食べさせてあげましょう!」と言われていて、当たり前の様に毎日あげている牧草ですが、皆さんはなぜうさぎさんの主食が牧草なのかご存知ですか?

 

野生のうさぎさんは野草や落ち葉・木の皮や根などを食べて生活しています。

ですが、わたし達人間と一緒に暮らすうさぎさんはそういった自然の物を食べる機会がほとんどなく、もし総合栄養食であるラビットフード(ペレット)だけを食べていると、後に説明させていただくうさぎさんの健康維持に必要な効果が得られなくなってしまいます。
そこで、本来うさぎさんの食生活で一番必要な繊維質を効率的に食べさせてあげる為に主食となったのが牧草なのです!

歯を削る

「うさぎさんは一生はが伸び続ける常生歯(じょうせいし)なので、かじり木をかじらせましょう」と言われていたのは一昔前の話。

うさぎさんの歯は正しいかみ合わせと咀嚼できちんと削れるようになっています。
正しいかみ合わせについてはまたの機会にお話をしますが、牧草を食べる事で正常に歯が削れて正しいかみ合わせを維持する助けとなります。
牧草の長くて硬い繊維を切歯(前歯)で噛み切ることで前歯が削れ、口の奥に運び込まれた短くなった牧草を臼歯(奥歯)ですり潰すというあごの動きをする事で、奥歯が磨耗し正常な長さに保てているのです!

そして、もし歯が伸びすぎてしまうと、かみ合わせが悪くなるだけでなく、伸びすぎた歯で口の中を傷つけてしまい、ごはんが思うように食べられなくなってしまうことや、口内だけでなく歯根に影響が出てしまう事があります。
そうなってしまわないよう、歯のかみ合わせを正常に保つ為の大切な食事が「牧草」なのです!

※牧草を食べれない子は必ずかみ合わせが悪くなってしまうという意味ではありません。
牧草を食べれない子には、牧草で作られたペレット状の食べ物や生野菜などでサポートしてあげることもできます!

 

胃腸を動かす

うさぎさんの胃腸は、わたし達人間の様に「オナカが空いたな〜ギュルギュル〜」と動くのではなく、牧草のような「繊維」を食べることによって刺激され動きが活発になります。
逆に繊維質の少ないものばかりを食べていると、胃腸の動きも弱くなり、消化管に食べ物が停滞してしまい、食欲不振や下痢等いろいろな不調を招いてしまいます。

さらに、牧草をあげていないうさぎさんや食べてくれないうさぎさんは、食べている子に比べて自分で自分の毛を舐めるセルフグルーミングをする頻度があがると言われています。
これは本能的に牧草の代わりとして胃腸を動かす刺激を求め、毛を食べるという行動をとっているのです。

そして、食べてしまった毛を上手く流しだす事ができない場合は、毛がオナカの中で滞留しフード(ペレット)などの食べ物と絡み合って毛球症の原因となります。
牧草の粗い繊維は、その刺激で胃腸の動きを良くすることで毛をうまく流しだす助けになるのはもちろんのこと、うさぎさんがセルフグルーミングで自分の毛を食べてしまう事を予防する効果もあるのです!

 

良質な盲腸糞を作る

うさぎさんは小さなカラダで厳しい自然の中で生きていく為に、牧草(繊維質)と密接な関係を持ったカラダの仕組みになっています。

うさぎさんのカラダには、野草や落ち葉・木の皮や根などの粗食であっても、食べたのもの繊維から、自分のカラダの中(盲腸・腸内細菌)で良質な栄養素を作り出すという素晴らしいメカニズムが備わっているのです。

うさぎさんの口に入った牧草は、口内で咀嚼(そしゃく)されて胃で消化し小腸で栄養を吸収します。

その後、繊維は大腸へと運ばれていくのですが、その時に消化しにくい繊維と消化しやすい繊維に分かれて、消化しにくい繊維は近位結腸に進んで、消化しやすい繊維は盲腸へと運ばれます。

で、驚くことに、一度近位結腸に進んだ消化しにくい繊維が微粒子と微生物だけ盲腸に戻してくるのです!!
そして、盲腸で微生物のチカラを借りて発酵させる事で栄養豊富な盲腸糞が完成します!
(難しくならないように一部省略しています)

 

 

盲腸糞は良質なたんぱく質やビタミン類が豊富に含まれている、うさぎさんにとって最高の食べ物なのです!!!!!

 

 

このような理由から、良質な盲腸糞を作る為に、牧草(繊維質)はうさぎさんにとって欠かせない大事な食べ物(主食)というお話に繋がります。